オレガノはハナハッカとも呼ばれ、スパイシーな中にどこか清涼感のある独特な香りです。古くは乾燥した葉が薬屋の棚に並んでいたほど薬効があるハーブです。オレガノとはギリシャ語で「山の喜び」という意味で、その薬効の幅広さや活用範囲の広さがうかがえます。とても育てやすく、葉色や花が美しいものがあるのでベランダに植えてみたいハーブの一つです。

目次

オレガノの品種

明るい黄色の強いゴールデンや斑入りのものもあります。直立するものや匍匐性のあるものなど、バリエーションも豊富です。なかでも花の美しさならケントビューティーという品種がオススメです。がくが淡い薄紫色から薄緑のグラデーションになりその中に小さなピンクの花がいくつも咲きます。オレガノはアマラクス類・マヨナラ類・オリガヌム類に分類されていますが、食用にするのはオリガヌム類で一般的にオレガノといえばオリガヌム類を指します。花オレガノと呼ばれるのはアマラクス類で、おもに観賞用になります。

オレガノの栽培時期

開花期は6月後半から9月ごろです。寒冷地以外では4月ごろから咲き始めて本格的に寒くなるまでは咲いています。観賞用のケントビューティーなどは通年で開花することもあります。
種蒔きは春と秋の2回で日中の平均気温が15度を保てる時期ならいつでも蒔けます。挿し芽も種蒔きの時期に準じます。苗植えは4月から6月の梅雨入りごろまでと秋の9月から10月ごろが適しています。株分けは春から梅雨入りぐらいまでが良いでしょう。

オレガノのプランターと用土

株が横に大きくなるので65センチぐらいの大きめのプランターが良いでしょう。鉢ならば8号(直径24センチ)以上のものが合います。いずれも切り戻しながら植え替えつつコンパクトに育てる場合はもう少し小さめのプランターでもよいのですが、本来のオレガノの姿で育てるなら大きめのものを用意しましょう。

用土は良く肥えたものを好みます。配合は赤玉土6:腐葉土2:堆肥2ぐらいが良いでしょう。市販のハーブ培養土でも十分育ちます。酸性土壌を嫌いますが培養土ならその点をクリアしているので便利ですね。化成肥料を少し混ぜておくと生育が良くなります。

オレガノの種蒔きと間引き

平均気温が15度ぐらいになったら蒔き時です。大体は3月から4月と9月から10月あたりです。用土をウォータースペースを2センチほどとってプランターに入れます。人差し指で1センチ未満の穴をあけ、種が重ならないように点蒔きします。一つの穴に5個ぐらいが適切です。上から用土をかぶせて種が流れないように注意して水やりしながら発芽を待ちましょう。種の上からかぶせる土は1センチ未満、上から手で少し押さえてならしておきましょう。ここがポイントで、オレガノは1センチ以上の土をかぶせてしまうとほとんど発芽しないのです。

間引きは双葉が出たところから開始です。込み合っているところや色が悪いものを間引きます。本葉が8枚ぐらいになるまで間引きながら育てます。本葉が8枚ぐらいというとある程度の根の張りもあるので移植することも可能です。そのぐらい大きくなったら株の間隔が25センチぐらいになるように離してやりましょう。

オレガノの苗の植え付け

株の間は25センチ以上に離しておかないと横に大きくなってお隣同士がくっついて蒸れの原因になります。市販の苗を購入して植えるときは株の間隔には十分注意しましょう。株元の方に色の悪い葉があったり元気のない枝などがあれば、あらかじめきれいにしてから植え付けましょう。もしもある程度茂っているなら強風で倒れないように細い支柱を株の中ほどに簡易的に立ててやると良いですね。根元がしっかりしてきたら外しても大丈夫です。

オレガノの置き場所

明るい日陰から日当たりの良い場所、どちらでも育ちますが葉色が良く勢いが良いのはやはり日当たりの良いところです。やや乾燥を好むので風の通りを確保して、梅雨や長雨の時期には過湿を避けるためにあまり雨が当たらないところに置くことも大切です。蒸れると株ごと消滅なんてこともあるので気を付けましょう。

寒さには強いので防寒対策はいりませんが、寒冷地なら株元に少し腐葉土を盛ると良いですね。

オレガノの挿し芽で増やす

オレガノの挿し芽は発根が早いので増やすには手軽な方法です。真夏と冬を避ければ年中増やすことができます。先端から10センチほどを切り取り1時間ぐらい水揚げします。下葉を落として用土に挿して日陰に置きます。あまり乾燥しないようにしておけば2週間から半月ほどで根が伸びるので、大きなプランターに植え替えます。

オレガノの水やりと肥料

生育時期もやや乾燥気味が良いので、土の表面が完全に乾いてから鉢穴から流れ出るまで水をやりましょう。

肥料は用土づくりで混ぜた化成肥料があるのであまり気にしなくて構いません。肥料過多になると香りが弱くなったり草丈ばかりが伸びたり枯れたりと良いことはありません。控えめな肥料で育てることが肝心です。液体肥料を生育時期に2か月に1回ぐらい水やり代わりに与えれば十分です。

オレガノの梅雨時の剪定

乾燥・日当たり・通風を確保できていればお手入れいらずで育ちます。とにかく過湿を嫌うので梅雨入りごろには刈り込んでやりましょう。背丈の半分ぐらいで刈り込んでやるだけでも十分ですが、混み合っている枝を間引くとなお風通しが良くなり芽の吹きも良くなります。

オレガノの病害虫対策

高温多湿で株が蒸れるとカビが生えて株ごと腐って倒れてしまったりします。症状が軽ければ市販の殺菌スプレーなどでも対処できますが、重症そうなら引き抜くしかありません。刈り込みや枝を透かすなどの作業をきちんとしてやれば大丈夫です。

害虫が付くとすればアブラムシぐらいです。あまりにも大量の場合は殺虫剤ですが、切って利用するという目的があれば早めに見つけて綿棒で退治しましょう。牛乳や竹酢液を水で薄めて霧吹きするのも退治の方法です。

オレガノの育て方のポイント

乾燥を好むので、枝の具合を見て刈り込みや枝透かしをしてやりましょう。
肥料と水やりの間隔は遠めの方が良く育ちます。
植え付けは株の間隔を気持ち広めにとってあげましょう。
生育が旺盛なので、2年に1回ぐらい株分けをすると元気が保てます。鉢底から根がのぞいていたら植え替え時ですね。

オレガノの収穫と活用法

収穫は刈り込みや枝透かしを兼ねられるので、結構マメに収穫できますね。ドライにする場合は花が咲く前の方が香りが良いので、午前中に枝を切り取ります。生でもドライでも利用できますがドライの方が香りが濃厚になります。ベランダから取って来るなら料理の最中いつでも収穫時期になるでしょうから、自然と間引きができます。ただ、1年目の株はあまり切ると翌年の生育に影響するので収穫するなら2年目以降のものが良いのです。

種の収穫は花が枯れてきたら放置しておいて指でつぶしてみるという方法が簡単でオススメです。種がとても細かいので、枯れてきた花を茎ごと切り取って乾燥した室内に吊るしておき、袋の中でつぶしてみたほうが確実な収穫方かもしれません。

殺菌作用や消化促進が効能のオレガノはピザのスパイスと呼ばれるほどチーズやトマトと相性が良いです。タイムやオレガノ・パセリなど、ドライのものを使用するときに葉を使うと茎が残りますね。その茎を捨てずに保存しておいて肉料理の時にいろいろ組み合わせて束ねて煮込み鍋にポイするだけで簡単ブーケガルニに変身です。
花はポプリやリースにすると淡い色合いがきれいですね。

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