ヨーロッパ原産でユーラシア大陸からアメリカ大陸まで広く自生しているタンジー。キク科の常緑多年草で和名はヨモギギクです。たしかにヨモギのような葉と花はポンポン菊のようですね。変種のエゾヨモギギクが北海道に自生しているので日本でも育てやすいハーブです。草丈は1メートルぐらいになり、ギザギザで羽のような美しい葉を広げくるみボタンのような黄色い花を夏にたくさん咲かせます。
香りはローズマリーに似ていて樟脳のようだとも表現される、鼻に抜ける香りです。出入口付近で育てると害虫の出入りが格段に減ります。

目次

タンジーの栽培時期

開花時期は7月から10月ぐらい、長く楽しめます。
植え時は3月から6月と9月から10月の春と秋2回です。
肥料は生育期に少な目に与えます。

タンジーのプランターと用土

比較的大きく成長するのでプランターは深鉢をおススメします。60センチのプランターに2株ぐらいが良いですね

水はけが良ければ特に用土は選びません。元肥として緩効性肥料を少しだけ混ぜておきましょう。ハーブ用培養土か草花培養土で十分です。配合するなら赤玉土7:腐葉土3が良いでしょう。

タンジーの種蒔きと植え付け

種蒔き
種蒔きは4月から5月と9月から10月が適期です。育苗ポットでなくても用土にばら蒔いて大丈夫です。薄く土をかぶせて乾燥しないように水やりをしながら発芽を待ちましょう。発芽したら本葉2枚ぐらいになったら色の悪いものや成長の遅い芽を間引きます。本葉5枚ぐらいになったら他の鉢などに移植できます。

苗の植え付け
3月から6月と10月から11月が適期です。真夏はちょっと弱るので避けましょう。根鉢を崩さないように植え付けたら水をたっぷりやっておきます。乾燥気味を好みますが、植え付け直後は根が活着するまで少し水を多めに管理します。

地下茎がどんどん伸びます。ものすごく旺盛な生育欲なので寄せ植えには不向きと言えます。大鉢に寄せたい時は、板などで仕切りをしましょう。

タンジーの置き場所

1年を通じて日当たりの良さと風が良く通る環境を好みます。枝が混み合ってくると蒸れるので風通しは必須です。

耐寒性が高いので防寒する必要はなく、越冬作業などは不要です。冬になると地上部は枯死しますが、春になると芽吹くのでご心配には及びません。

タンジーの増やし方と植え替え

種を採取するまでもなく、こぼれ種でも増えます。それよりも株分けの方がもっと楽かもしれません。

株分け
春か秋に株分けできます。時期はあまりこだわりませんが、暑すぎ寒すぎだけは避けましょう。株を掘り上げて、よく切れるハサミやカッターなどで3つぐらいに分けて用土に植えつけるだけです。強いのでほぼ失敗しません。

植え替え
株がどんどん大きくなるのでプランターによっては毎年植え替えることになるかもしれません。3月から4月と9月から10月ごろが良いでしょう。プランターの底から根が出たり水はけが悪くなっているかどうかが植え替えの基準なので、それを見計らって鉢を替えてやると良いですね。

タンジーの水やりと肥料

タンジーは灌水と施肥は少な目に管理した方が元気です。

水が多いと根腐れを起こすことがあるので、用土が乾いたらたっぷり水を与えましょう。蒸れに弱いので特に夏場は涼しい時間帯に水やりするように心がけます。暑い時間に水をやるとプランターの中は地獄です・・・

緩効性肥料を元肥として混ぜておけばあまり肥料はいりません。3月から6月と9月から11月ごろ、化成肥料を根元にばらまくか液体肥料を月に2回施す程度です。真夏は蒸れて株が弱りやすいため避けましょう。

タンジーの蒸れ対策

梅雨入り前と秋の長雨前には枝を透かすことが大切です。蒸れに弱いからといって枯れてしまうほどではないのですが、葉が黄変したり花が付かなかったりします。込み合った枝は切り取ってスッキリさせてあげましょう。梅雨入り前の作業でタンジーも夏越しが快適になります。

タンジーの病害虫対策

病気も害虫も特に対策する必要はありません。タンジーの虫除け効果は絶大です。

タンジーの育て方のポイント

生育旺盛であまり手はかかりませんが、旺盛すぎるので寄せ植えには向きません。
肥料は少な目の管理が良いです。水やりはメリハリが大切です。
蒸し暑さに弱いので、風通しが良い場所に置き枝を透かしましょう。

タンジーの収穫と活用

タンジーも昔は食用や薬用として利用されていました。しかし、大量に用いると毒性があることが分かってからはほとんど食用利用はされていません。イースタープディングの香りづけにごく少量りようされているぐらいですね。大量に食べると死に至る可能性もあるので絶対に食用には市内でください。特に妊娠中の服用は厳禁です。

鮮やかな色がドライにしても退色しにくいということと香りも薄らぎにくいので、ポプリやリースとして活用できます。特に生のままリースにするのをおススメします。生の方が茎を曲げやすいことと、青々としたリースからどらに担っていくナチュラルな感じが美しいです。

殺菌・防虫効果に優れていて害虫対策がいらないのがすごいですね。特にアリ・ハエ避け効果は抜群です。キッチンや玄関・ペットのケージ付近にリースでなくても透かした枝を吊るすだけでOKです。ドライにしてお茶パックなどに入れたらカーペットやクッションの下にポイと置くだけで虫除け効果があります。サシェを育てるまでもなくお茶パックなら手軽ですね。ちなみに染料としても利用でき、若い葉を煮出すとイエローグリーンに染まるのでお試しください。

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