ショーケースのケーキやタルトの上に飾られている若葉色の葉っぱがチャービルです。意外とおなじみなハーブだったことが分かりますね。フランス名ではセルフィーユと呼ばれるセリ科の植物です。ヨーロッパや西アジア原産で草丈は大きくなっても50センチぐらいです。学名は「蝋質の葉」という意味で、良くみると柔らかな葉は細かく切れ込んでとても繊細な蝋細工のようです。フランス料理に良く使用されることからフレンチパセリとも呼ばれます。パセリよりもマイルドな香りです。
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目次

チャービルの品種

葉を料理に使うものと根を使うものがあります。一般的にチャービルと言えば葉を利用するものですね。根を利用するものは「ルートチャービル」という品種で葉には毒があります。

チャービルの栽培時期

開花期は4月から7月、白く細かい花をレースの傘のように咲かせます。
植え付けは3月から5月と9月から10月ごろです。
肥料は年に2回程度与えます。
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チャービルのプランターと用土

プランターは65センチぐらいのものであれば3株から3株植えられます。鉢なら10号鉢(直径30センチ)ぐらいで2株程度です。

用土は保水力が必要です。使い古しの土なら苦土石灰を少しだけ混ぜておくと良いでしょう。配合は赤玉土7:腐葉土3で、赤玉土は小粒の方が向いています。市販のハーブ用土でも十分ですが、に赤玉土を少量混ぜておいても良いでしょう。緩効性肥料を配合しておきます。

チャービルの種蒔きと植え付け

チャービルの発芽に適した温度は20度前後です。3月から5月中旬あたりまでと9月から10月ぐらいが適期です。移植を嫌います、直播にしましょう。
土に種が重ならないように蒔いて、薄く土をかぶせます。水やりをしながら乾燥しないように管理し、発芽したら混み合っているところや元気のない芽を間引きましょう。本葉が5枚程度になるころには株の間隔を15センチ程度になるように間引くのが目安です。間引いた芽はある程度の大きさがあれば食卓へどうぞ。2週間ずつずらして複数回蒔いておくとどんどん収穫できますよ。

苗を購入して植え付けるときは根鉢を崩さないようにします。太い根が生えるのが特徴で、傷つくと生育不良を起こします。植え付けてからも土をあまり上から抑えないようにすることもコツです。

チャービルの置き場所

風が良く通る明るい日陰が向いています。日向でも良いのですが、直射日光が当たる場所では田舎風チャービルになります。繊細さは消え野太い感じの見た目と固さ、結構な香りの強さになってしまいます。柔らかな感じが良いところなので、半日陰に置いてやりましょう。耐寒性はマイナス5度とはいいますが、霜に当たると葉が焼けます。霜が降りる頃には軒下に移動しましょう。

チャービルの種の収穫

種を収穫して増やしますが、こぼれ種でも増えるので収穫するまでもないかもしれません。購入した種よりも自家採集した種の方が断然発芽率が上がります。セリ科の種は長期の保存がきかないのが理由です。種を収穫するには花が必要ですが、花茎が伸びてくると株ごと固くなって香りも弱まります。このため、一株だけ種の収穫用を決めておいた方がよいでしょう。花の後に種が出来たら他のハーブのように追熟させたりせずに、すぐにまいてしまいましょう。

チャービルの水やりと肥料

乾燥が苦手で水切れを起こすとすぐしんなりして枯れてしまうことがあります。土の表面が乾いたころを見計らってたっぷり水やりをしましょう。夏場は葉がしんなりすることがあるかもしれませんので、様子を見て1日2回水やりをした方が良いこともあります。
肥料は緩効性肥料を元肥に入れておけばあまり必要はありません。種蒔きや植え付けの時に混ぜておきましょう。液体肥料なら種蒔きや植え付け後、2週間に1回水やり代わりに与えておくと次々に収穫できます。

チャービルの花茎摘み

花が咲いて種ができると株ごと枯れてしまいます。花茎が伸びたら種の収穫用以外はすぐに摘み取ります。いつも花茎のことを気にしておくことで、長く収穫できますし株の元気を保つことができます。

チャービルの病害虫対策

害虫はほとんどありませんが、立ち枯れ病になることがあります。風通しが良いところに置くと良いのですが、真夏や梅雨・長雨の時期は気を付けましょう。

チャービルの育て方のポイント

チャービルの上品さを保つためには、明るい日陰に置きましょう。日当たりが良すぎると固くて見た目も香りも粗野になります。
乾燥に弱いので、用土が乾いたころを見計らって水やりします。夏場などの水やりは葉の感じを見ながら加減しましょう。
太い根がウィークポイントです。傷つけないようにしましょう。
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チャービルの収穫と活用法

種蒔き後2週間ぐらいで収穫を始められます。中心からどんどん新芽が伸びてくるので、外側の葉から順番に摘み取って収穫しましょう。

チャービルは一風変わった活用法があります。ナメクジ避けの「いけにえ」にするのです。植物を育てているとどうしてもナメクジと遭遇しますね。遭遇するだけでなく食害にあった日にはどうしてやろうかと怒り心頭・・・そんな時にはチャービルの鉢植えを所々においてやると良いのです。ナメクジはチャービルがお好みなので、チャービルは食べられますが他の植物にはあまり来なくなります。活用と言えるかどうかは疑問ですが、よろしければお試しください。

チャービルがもつ栄養素はカロテン・ビタミン・鉄・マグネシウムなどです。カロテンは新陳代謝を助けるので美肌にも効果的ですね。消化促進や解毒作用もあります。加熱すると香と効果が薄くなるので生で利用するか、火からおろす直前に添えることをオススメします。オムレツなどにもよく合いますし、マヨネーズやクリームチーズなどと混ぜてソースにしてもおいしく食べられます。

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