レモングラスは大型で草丈が1メートルを超えるイネ科のハーブです。インドやスリランカにおもに生息し、レモンの香りがするのが特徴です。アジア圏では料理に欠かせないハーブでベトナム料理に登場します。また、タイ料理のトムヤムクンにも必ず入っているため知っている人も多いハーブです。その葉にはいろいろな効果があり、精油は香水やアロマテラピーに利用されています。その灰色がかった葉色が特徴です。
目次
レモングラスの栽培時期
開花期は7月から8月ごろ、夏に咲きますが非常に地味な花です。イネの花に少しだけ赤みがあって大きめ、とご想像ください。日本ではあまり咲きません・・・
植え付けは4月から10月初旬までです。寒くなると枯れてしまいますので早めに植え付けたほうが良いです。
肥料は生育期の温かい間だけ与えます。
レモングラスのプランターと用土
ススキを想像してみてください、かなり大きな株ですね。というようにレモングラスはとても大きくなります。生育が良いと背丈は1メートル越え、株も横綱級です。プランターなら野菜用の大型のもの、鉢なら10号鉢(直径30センチ)以上のものが良いでしょう。
用土は水はけのよいものを用意します。地植えなら荒地でも育つぐらい丈夫です。ハーブ用の培養土か、赤玉土7:腐葉土2:川砂1の配合が良いです。緩効性の肥料や堆肥を混ぜておくと良いでしょう。
レモングラスの種蒔きと植え付け
種蒔きに適した温度は20℃程度なので、4月から6月ごろが向いています。種蒔き用のポットを用意しても良いですが直播でも構いません。プランターの8分目ぐらいまで用土を入れ、人差し指で1センチの深さの穴をあけて3粒ずつ点蒔きします。軽く土をかぶせて乾かないように水やりしながら明るい日陰に置きましょう。草丈が5センチぐらいになったら元気のない芽を間引きましょう。10センチぐらいになればもう立派なレモングラスです。他の鉢に移植しても大丈夫です。
市販の苗を植え付けるのも時期は4月から6月が最適ですが、10月初旬までに根元がしっかりするようなら間に合います。限界は10号鉢に1株です、必ず大きくなるので・・・
レモングラスの置き場所
日当たりが良く湿気がこもらない風通しの良い場所に置きましょう。葉が非常によく茂り蒸れやすくなります。夏の暑さは熱帯生まれのレモングラスなら平気ですし、土地がやせていても気にしません。
耐寒性は全くないと言われていますが・・・慣れます。毎年0度を割るコンクリート打ちっぱなし・吹きっさらしでも生きています。確かに非耐寒性という性質はあるので関東以北では冬になると屋内に入れてやったり軒下へ移動することは大切です。関西以南であれば、毎年少しずつ寒さにならしてやると余程の積雪などがなければベランダで十分育つようになるのでご安心ください。
レモングラスの植え替え
10号鉢なら数年はそのまま植え替えずにがんばれます。それよりも小さい鉢だったり、根が鉢の下に出てくるようになったら一回り大きな鉢に植え替えましょう。成長が早いので初めに大きな鉢に植えた方が管理は楽です。
レモングラスの増やし方(裏ワザあります)
気温が一定になって来る4月ごろからは株分けができます。根元をかなり大胆に切り分けても大丈夫です。一応根を付けて切り分け、用土に植えたら根が活着するまで水をたっぷり目に与えます。
増やし方の裏ワザは「水栽培」です。ふざけてやってみたら根が出ました。株を地際ギリギリのところで切って水に挿すだけです、と言っても水は時々変えてやってください。葉茎が長いので15センチぐらいに切って、倒れないぐらいの容器に水を入れて立てておけばOKなかなり手軽な増やし方です。根が出たら用土に植えると出来上がりです。
レモングラスの水やりと肥料
土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。植え替えなどの後に根付くまではあまり乾かないように水やりの回数を増やしますが、他はそれほど神経質になる必要はありません。ただし、極端な感想は株を傷めます。冬場は若干回数は少なめにしましょう。
肥料は生育期の4月から10月まで、液体肥料を月に1回与えましょう。冬場は必要ありません。肥料はたくさんは必要ありませんが、不足すると葉が細くなったり黄変しやすくなります。
レモングラスの冬越し作業
関東以北は冬越しのために作業が必要でしょう。11月ごろ霜が降りる前に地面から10センチぐらいに刈り取ります。あとは腐葉土やワラなどがあれば鉢の上にかぶせて覆ってやります。もしも室内にスペースがあれば刈り取ったまま鉢ごと取り込んでやれば大丈夫です。10月を過ぎると葉が黄変してくるのでそのあたりが作業時期の目安です。
レモングラスの病害虫対策
害虫は特にありません。病気も特にありませんが良く茂るので風の通りが悪くなると蒸れて黄変したり株が枯れたりすることがあります。茂りすぎたと感じたら葉を切り取ったり株分けしても良いでしょう。
レモングラスの育て方のポイント
冬の寒さに弱いので、関東以北は冬越し作業をします。関西以南では株の様子を見ながら1年2年と寒さにならしてやることも大切です。
大きく育つので10号鉢以上のものに植えこみましょう。酸性用土を嫌います。
レモングラスの収穫と活用
収穫はいつでもできます。使いたいぐらいの葉を使いたい時に切り取ったり、真夏や冬前に刈り込んでも良いでしょう。生葉でもドライにしても活用できます。ドライなら刈り込んだものを束ねて吊るしておくだけです。
レモングラスには高い殺菌効果があります。洗面器にお湯を張って葉を3本ほどザクザク切って入れ、おひさまの下に15分ほど置いたものに足を浸けておくと水虫に効果があるそうです。クローゼットに入れておけば防虫剤にもなります。胃腸の働きを促進して脂肪の分解も促す効果があるので、ティーにして食事のお供に飲むと良いですね。葉の根元の白い部分はやや柔らかさがあるので、刻んでエスニック料理の薬味にすると鉄分補給にもなります。長い葉を編み込んでドアリースを作れば軽い虫除け効果もあるので玄関などに良いですね。