目次
挿し木とは
挿し木とは、生長した植物の茎や葉などを切り取り、それを地面に挿して繁殖させることです。切り取る部分によって、茎挿し、葉挿し、挿し芽などと呼び方が異なり、難易度も異なります。
挿し木は、わざわざ新しい苗を買いに行く必要がなく、種から育てるよりも簡単なので、初心者でも気軽に挑戦することができます。
挿し木で増やすことができるのは、多肉植物やハーブ、トマト、キュウリ、アロエ、パッションフルーツなどです。特にハーブとトマトは初めてでも高確率で挿し木を成功させることができます
簡単にできる挿し木の準備
挿し木に最も適している時期は、その植物の生育期の少し前です。この時期に行うと、挿し木の根が生えやすくなり、切り取られた側の植物の回復も早くなります。
土は、肥料分の含まれていない赤玉土や鹿沼土、または挿し木用の土を使いましょう。土はポットや小型の鉢に入れましょう。確実に発根させたい場合は、発根促進剤も用意しておきます。
若い枝を10cmほど、清潔なカッターやハサミで切ります。上にある葉を2,3枚残し、ほかの葉は取り除きます。根が出るまでは水分が蒸発しやすい状態です。葉がたくさん残っていると、そこから水分が蒸発して枯れやすくなるため、必ず行いましょう。切った枝はすぐに土に挿さず、水に入れたコップに1時間ほどつけておきます。これは水揚げと言い、水揚げを行うことで植物が水を吸収し、枯れるのを防ぐことができます。その後、必要であれば切り口に発根促進剤をつけて、あらかじめ湿らせておいた土に割りばしなどで穴をあけ、そこに挿し木を挿します。挿し木が倒れないように土を軽く押さえて植え付け完了です。挿し木に必要なスペースはそこまで広くないため、1つの鉢に複数挿してしまってもかまいません。
簡単にできる挿し木の育て方
挿し木した鉢は、午前中だけ日が当たる半日陰に置いて生育しましょう。強い雨や風に当たると挿し木が倒れてしまうこともあるため、雨風が防げる軒下などに置くといいでしょう。根が出るまでは乾燥にたいへん弱いので、水は土が乾燥する前に与えましょう。昼にしおれていても、夜に元気になっていれば正常に育っている証拠です。根が出ているか心配で掘り起こしてしまうと、腐ってしまうことがあるため、避けましょう。根が出ているかどうかは、鉢底の穴から確認します。
挿し木をしてから2週間から1ヶ月ほどで根が出てきます。その後、十分に苗が育ち、根が張ってきたところで、植木鉢やプランターに植え替えます。
挿し木のコツ・注意点
挿し木には、なるべく若い部分を使用しましょう。若い枝は生長力が高いため、古い枝を使うよりも根の張りが早く、成功率も高くなります。
枝を切り取る時は、切れ味のいいカッターを使いましょう。切り口がギザギザになると切り口の細胞がつぶれ、雑菌も入りやすくなってしまいます。また、切り口は斜めに切りますが、あまり鋭く切ると先端が腐るため、少し浅めに切りましょう。
土は、使い回しのものではなく、必ず新しいものを使いましょう。何かを栽培した後の土は、雑菌が繁殖していたら、害虫が潜んでいたりすることがあります。
挿し木は多湿ぎみの環境を好みます。このため、カビが生える可能性も高くなります。殺菌剤を使い、カビの発生・繁殖を防ぎましょう。